こんにちは、みにさんです。
今回は狭い場所やベランダでも簡単にできる、鉢植えラズベリーの栽培方法を解説します。
ラズベリーはバラ科キイチゴ属の植物で、植え付けさえしてしまえば、ほとんど手がかかりません。暑さにも、寒さにも強く、病害虫の被害に合うこともほとんどありませんので、初心者にも育てやすい果樹です。
プランター・鉢植えでの栽培も可能で、甘酸っぱ~い真っ赤な実を十分に収穫できます。
植え方や管理方法など、初心者にもわかりやすく解説しますのでチェックしてみてください。
ラズベリーの基本情報
ラズベリーは主に北半球の温帯地域に自生しており、ヨーロッパや北アメリカが原産とされています。果実は、可愛らしく、爽やかな風味で、ビタミンCや食物繊維が多く含まれておりまた、栽培も容易なため多くの人に愛されています。
■『ラズベリー』基本情報
・学名:Rubus idaeus
・バラ科キイチゴ属
・落葉低木 樹高:1~1.5m
・花期:4~5月 8〜9月(二季なり種のみ)
・収穫:5~6月 9~10月(二季なり種のみ)
ラズベリーの植え付け
植付けから収穫までは、苗の大きさにもよりますが、半年から一年半くらいです。10号(直径約30㎝)くらいの鉢であれば十分に収穫できますので、狭い場所やベランダなどでも、日当たりさえよければ栽培が可能です。
苗選び
一季なりと二季なりのものがありますが、最近は二季なりのものが多く出回っているようです。色も赤実だけでなく、黄実のものもあるので、お好みで選びましょう。
ブラックベリーもラズベリーの仲間になります。
鉢・土・植付け
鉢は10号(直径約30㎝)くらいの大きさがあれば十分収穫できますので、大きなものを用意する必要はありません。土は赤玉の中粒と腐葉土を3:2の割合で混ぜたものを使いますが、市販の培養土をそのまま使ってもまったく問題ありません。
植付けは真冬と真夏を除いた時期を避ければいつでも大丈夫です。春に植えれば翌年には収穫でき、秋植えの場合は翌々年の収穫になります。
真夏に植付けをしたことがありますが、水やりをしっかり行えば問題なく活着しました。ただ株に負担になることは確かなので、真夏の植付けは避けるほうが無難です。
ラズベリーの苗をポットから抜き取り出し、そのまま鉢に植え付けます。肥料は化成肥料を2~3握り植え付け前に土に混ぜておきます。
苗が大きい場合は必要に応じて支柱を立てて、ビニタイなどで固定してあげましょう。
最後に水をたっぷりあげて完成です。
秋に植え付けて、翌春の状態。
1年後には大きな株となり、花芽もたくさんつけています。
ラズベリーの管理方法
ラズベリーは日当たりを好みます。日照が不足すると花芽の数が減り、収穫量も少なくなってしまうので日当たりの良い場所で育てましょう。
ラズベリーの枝は伸びてくると1.5m程になります。そのままでも問題ありませんが、先に実をつけ、重くなってくると垂れ下がって地面についてしまうので、支柱を設置するか、少し高いものの上に置くと、収穫や管理がしやすくなります。
フェンスなどがある場合は、フェンスに誘引すると可愛くオシャレになります。
少し高いものの上に置けば、垂れ下がっても地面につかないので、支柱がなくても大丈夫です。見た目もフワッとして可愛いです。
水やり
表面が乾いたらたっぷりと与えます。鉢植えの場合は水切れしやすいので、特に夏場は注意しましょう。
冬場の水やりは控えめで大丈夫です。
肥料
2月、5月、9月に野菜や果樹用の化成肥料を与えます。2月には支柱や小さな͡コテなどで穴をあけ中に肥料をいれます。5月、9月は葉や新梢が繫茂しているので表面に撒けば大丈夫です。
剪定
剪定時期の目安は11~2月です。ラズベリーはその年に着果した枝は枯れますので、実の付けていた枝は地際で切り、実のつかなかった枝は地表から60~80㎝くらいのところで切ります。
またラズベリーは新梢が次々と出てきますので、細く弱い枝も地際で切ります。
収穫
一季なりは5~6月に、二季なりは5~6月と9~10月に収穫できます。鮮やかな赤色から少し色がくすんだ感じになれば食べ頃です。実を持って軽くひぱってポロっと取れれば熟している証拠です。
植え替え
鉢植えのラズベリーは年数が経過し、株が大きくなると、鉢の中がラズベリーの根でいっぱいになり、根づまりを起こします。
根づまりを起こすと株が弱ったり、収穫量が落ちる原因にもなりますので、3年位を目途に植え替えるのがベストです。
ただ植え替えをやらないからといって、すぐに枯れたり、実がまったく採れなくなるというわけではありませんので安心してください。
鉢植えのラズベリーの植え替え方法は、『鉢替え』と『株分け』の2種類があるのでそれぞれ解説します。
鉢替え
鉢替えは、ひとまわり大きい鉢に植え替える方法で、現在植え付けてある鉢から株を抜き取り、軽く根をほぐし、そのまま大きい鉢へ植えるだけです。用土も最初の植付け時と同じものでオーケーです。
株分け
株分けは、鉢を大きくしたくない場合や、樹形をコンパクトに保ちたい場合に有効です。鉢から株を抜き取り、園芸用のハサミなどを使って半分に切り分けます。
そして、分けた半分を元の鉢にもう一度植え直します。この時根についた土はそのままで、植付け用の用土は新しいものを使用します。
残った半分は別の鉢に植え付けてるか、これ以上増やしたくない場合は処分しましょう。
株分けの時期は新梢がどんどん出てくる4~5月がベストです。
ラズベリーの病害虫
ラズベリーは病害虫の心配はほとんどありませんが、夏から秋にかけてコガネムシの幼虫が発生する場合があります。放っておくと根を食い荒らし、最終的には枯れてしまいます。
根詰まりをおこしそうなほど大きく成長したラズベリーでしたが、食べつくされて根ががまったくありません。
鉢をひっくり返すと中から30匹以上のコガネムシの幼虫がでてきました。
コガネムシの幼虫がいるかどうかの見分け方
コガネムシの幼虫は地中にいるので、パッと見た目にはわかりません。注視するのははラズベリーの葉です。
コガネムシの幼虫に根を食べられた株は水を吸い上げる事ができないため、その症状が葉に表れます。ラズベリーは冬には葉を落としますが、春から秋にかけてはしっかり葉がついてるので、この時期に葉が枯れ始めた時は注意が必要です。
他の要因の可能性もありますが、水やりなど管理をしているにも関わらず、枯れが徐々に進行していくようであればコガネムシの幼虫がいる可能性が大きいです。
試しに少し掘ってみて、一匹でも見つかれば土の中には大量にいるので、すぐに駆除しましょう。
コガネムシの幼虫対策
コガネムシの幼虫は侵入を防ぐ事は難しいので駆除していくしかありません。
①捕殺
株を鉢から抜き取り、土をほぐして、コガネムシの幼虫を捕殺します。地中深くにいる場合もあるので見逃さないようにしましょう。
抜き取った株は鉢に植え付ければ大丈夫ですが、土の中に卵が残っている可能性があるので、新しい土を使用した方が無難です。
②農薬による駆除
コガネムシの幼虫には『ダイアジノン粒剤』が効果的で楽チンです。ただし、ラズベリーは適用作物には入っていないため自己責任での使用となります。
ラズベリーの株の増やし方
ラズベリーは、一度苗を買ってしまえば、株を自分で増やすことができます。収穫量を増やしたい場合など、新たに苗を購入しなくても、自宅で簡単に行えます。
株を増やす方法は主に『挿し木』と『株分け』があり、『株分け』については、管理方法の植え替えの所で紹介していますので、ここでは『挿し木』について詳しく解説します。
挿し木
ラズベリーは挿し木でも増やすことができます。穂先10㎝くくらいをカットし、そのまま土に挿しておくだけです。管理は半日陰で行い、水切れを起こさないように毎日水やりを行いましょう。発根を確認したら、ポットに植え付けます。
注意点は挿し木にする部分には必ず葉っぱをつけて行います。また葉が多すぎると水分が蒸発しやすいので、小さめの葉3~4枚で挿し木にします。
挿し木の適期は気温の安定する6~7月がベストです。
株分け
今ある株をいくつかに分ける方法です。植え替えのところで紹介していますが、ラズベリーは生育旺盛で強い植物なので、地表部分と根っこがあれば小さく切り分けても活着しやすいので、株分けのほうが簡単で収穫までの期間も早くなります。
ラズベリーの利用方法
ラズベリーは生のものはほとんど販売されていないため、生食できるのは家庭菜園ならではの楽しみです。
生食の他にジャムやシロップ、果実酒にも利用できます。加工するには数が必要ですが、ラズベリーは冷凍保存できますので、毎日収穫したものを少しずつ冷凍しておけば、後で加工するのに便利です。
また、ブルーベリーとの相性がよく、見た目も可愛くなりますので、ブルーベリーもいっしょに栽培すると、収穫が一段と楽しくなります。
ブルーベリーはハイブッシュ系の早生品種であれば、6月上旬くらいから収穫できるので、ラズベリーと同じ時期に収穫することができます。
まとめ
ラズベリーは生食だけでなく、ジャムやシロップ、果実酒などの加工品にも利用でき、また、真っ赤な果実は見た目も可愛らしく、観賞用としても価値があります。
10号(直径約30㎝)程度のプランターや鉢があれば、十分収穫できるので、狭いスペースでも育てることができます。
栽培方法も難しくありませんので、ぜひラズベリー栽培をお楽しみください。
以上参考になれば嬉しいです^^ありがとうございました。
HB