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戸建住宅の【シロアリ予防工事】は必要か?考え方や判断の重要ポイント4つを解説。

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こんにちは、みにさんです。

この記事は戸建住宅のシロアリ予防工事の実施について、実施の有無の判断基準や業者選定に対する考え方や判断のポイントをまとめました。突然の飛び込み営業や実際にシロアリ被害が発生した場合の駆除依頼を行う際の業者選定などの場合にも参考にしていただければ幸いです。

我が家は5年前に新築戸建住宅を購入しました。ある日、住宅メーカーよりダイレクトメールが届き、その内容は、住宅のシロアリ被害の無料点検とシロアリに対する保証期間が終了したため、新たにシロアリ予防工事(防除工事)の実施を勧める案内でした。

ずいぶん昔ですが、シロアリ関係の業者は悪徳業者が多いというのを聞いたことがあったので、当初はDMも無視しておくつもりでした。そんな時に、仕事でたまたま建築関係の方とお話する機会があったのでDMの件について相談すると、「個人的には工事を行うことよって住宅保証の延長がついてくるのであれば実施を勧めるが、実施するかしないかは個人の判断」との返答でした。

悪徳業者の存在の有無についても聞いたところ、昔は結構な割合で存在したが、今はSNSやレビューなど、変なことをすればすぐに拡散してしまうので、ゼロではないがかなり減ってきているとのことです。

とりあえずやるかやらないかの結論をだすのはシロアリ駆除業者の話を聞いてからの判断でも遅くないと考え、まずは無料点検を依頼しました。

点検終了後、点検結果とシロアリ予防工事の説明を受け、こちらも事前に用意しておいた、気になる点や疑問点などいくつかの質問を担当者にぶつけました。担当者の方にはひとつひとつの質問に丁寧に答えていただき、また、後日ハウスメーカーにもいくつかの質問を問い合わせ、回答をいただきました。

結論から言うと、今回、悩んだ末に私はシロアリ予防工事を実施することにしました。

業者さんの話を聞いたり、自分で調べたりしていく中で、費用やシロアリに対するリスク、自前工事の是非などを考え、総合的に判断しそのような結論を出しました。ただ、私は今回は必要だと判断しましたが、シロアリ予防工事の必要性はそれぞれ事情が異なるため、個々の判断で決めるしかありません。

シロアリ予防工事の実施について考えるべき4つのポイント

シロアリ予防工事は、来るか来ないかわからないシロアリに対して備える保険のようなものです。工事金額に対して中身が妥当なものかどうかをしっかり考えるということが大切です。

単に「工事はやった方がいい」と業者に言われたから、よくわからずに契約するのと、しっかり中身を把握した上で契約をするのとではまったく違います。ぼったくりや不安を煽られてなんとなく契約を結ぶ、ということにならないためにも、考えるべき重要ポイント4つを順番に解説していきます。

考えるべき4つのポイント

1、工事や住宅の保証内容など付帯事項の確認。

2,工事内容を把握する。

3,【重要】適正な価格かどうか(相見積をとる)。

4,冷静に判断する。

1,工事や住宅の保証内容など付帯事項の確認

住宅には建てた時や購入時に、建物の破損に対して10年保証や30年保証など、一定の保証をつけてくれています。シロアリ駆除工事を行えば保証期間の延長がうけられる場合もある一方で、シロアリに起因する破損が保証の免責事項になっている場合がありますので、住宅購入時の契約内容・保証内容をしっかり確認しましょう。

わかりにくい場合はハウスメーカーに問い合わせをすれば丁寧に説明してもらえますので、どのような契約になっているのか把握することが大切です。

2,工事内容を把握する

使用する薬品名やどの部分にどのように散布するのか、また工事の所要時間なども確認して置くと良いです。分からない事や疑問に思った事は遠慮なく質問しましょう。

3,【重要】適正な価格かどうか(相見積をとる)

シロアリ予防工事実施の是非について迷う原因としてやはり工事金額が挙げられます。数万円から面積や工事内容によっては十万円を超える場合もあり、一般家庭では大きな出費となりますので、迷ったり不安になったりするのも当然です。

そこで、工事をやるにしてもやらないにしても、工事金額が適正かどうかを判断するために相見積を取るようにしましょう。

業者によってはHPに詳しく単価を載せている場合もあります。見積を出してもらうのには抵抗があるという場合は、HPの単価を参考に自分で計算し、おおよその金額でもかまわないので比較検討を行うことが大切です。

注意すべき点は見積の内容を把握することです。使用する薬品の種類、勝手にオプションがつけられていないかなどしっかり確認する必要があります。

業者によって坪単価で見積を出す業者と㎡単価で出す業者がありますが、1坪=約3.3㎡なので単位を合わせて比較しましょう。

業者に相見積ということを伝える

また相見積を嫌がる業者もいますので、事前に見積だけになる可能性もあることを伝えておくと良いです。

具体的には、

「シロアリ予防の薬剤散布の見積書をお願いしたいのですが、複数社に見積を依頼していますので、見積を出してもらうだけになってしまう場合もありますが大丈夫でしょうか?」

こんな感じで尋ねれば快く見積書を出してもらえます。

見積を取れる場所

見積は駆除業者に直接依頼することもできますし、代理店などにお願いすることもできます。代理店はホームセンターの他にJAなどでもやっているので、そちらの方が見積りは取りやすいかもしれません。

駆除業者が複数の会社と代理店契約をしている場合がありますので、例えば異なった二つのホームセンターのどちらで頼んでも来る業者は同じ場合があるという事です。中抜きの金額は違うので当然価格は変わってきます。

シロアリ駆除業者を、大手ではない地元の工務店に聞いてみるというのも一つの手です。私は自分で調べて、地元の個人でやっておられるシロアリ駆除業者に電話をして見積を依頼しました。事情を説明したところ丁寧に対応していただきました。工事は別の業者にお願いしましたが、印象は悪くありませんでした。

☆最安が一番!というわけではない

相見積は一番安い業者を探すために取るのではありません。適正価格かどうかの判断のため、ぼったくりではないかどうかの確認のために、相見積を取ります。

同じ工事内容であるなら金額が安いほうがお得なのですが、例えば、数百円の差であるなら担当の人が熱心に動いてくれたり、対応が素晴らしかったりすれば、少々高くても対応の良い方と契約するというのも一つの考えです。

もちろん安ければ安い方が良いとするならば、対応など気にせず最安の業者に依頼するのも一つの考えです。

大切なのは市場の相場を知るという事です。

4,冷静に判断する

シロアリのことに限らず営業マンは人の不安を煽る天才です。ウソはついていないのでしょうが、シロアリやシロアリに食害された家などの画像を見せられると不安になるのは当然です。

しかし、そこは一旦冷静になり、内容を精査してから判断しましょう。本当に必要かどうか、金額は妥当なものかどうか検討してから契約してからでも遅くはありません。

シロアリ防除の自前工事のメリット・デメリット

業者に自前工事について質問したところ、結論『できなくはないです。』との解答でした。自前工事について深掘りして質問したところ、メリット・デメリットを教えてもらいましたので解説します。

メリット

1,工事費用が安く済む

当然工事費用は安く済みます。薬品や機材を買い揃えても、業者を使うよりはかなり安くすみます。

2,いつでも、空いた時間にできる

工事の予約を取ったり、業者との日程調整をする必要がありませんので、好きなタイミングでいつでも行えます。

デメリット

1,1~2年おきに防除が必要

シロアリ駆除業者が使用する薬品の中には、シロアリ予防効果が5年間持続するものがありますが、その薬品は『日本しろあり対策協会』を通じてしか手に入らないそうで、一般消費者では購入できないとのことです。

ホームセンターなどで販売している薬品は効力が1~2年ほどしかないため、工事周期も1~2年に1回と、業者に依頼するよりも短い期間で防除が必要となります。

2,狭い場所での薬剤散布

薬剤の散布は家屋の床下に行います。膝をつきながらや場所によっては伏せた状態での作業になるので、肉体的負担が大きいのと閉鎖された空間ですので薬品をかなり浴びることになります。

シロアリの特性と個人でできるシロアリ予防対策

シロアリ駆除業者の方へ個人でできるシロアリ予防対策を尋ねたところ、教えていただきましたので解説します。

まず、シロアリの好きな環境は湿気が多い所だそうです。庭に植物を栽培している場合はあまり広範囲に水を撒かないことと、水が滞留しないように注意した方が良いそうです。

また建物周辺にシロアリのエサとなる木製品はなるべく置かないほうが良いと言われました。ウリンやイタウバなどの硬木も1度はかじるそうで、イケると判断したら食べるそうです。

子どもが拾ってきた木の中にもシロアリがいる場合があるそうで要注意です。

木製品だけでなく、植栽している樹木も注意した方が良いそうです。元々、木は自分の身をまもるためシロアリの苦手な成分を出しているそうですが、何らかの原因で木が弱ってくると、木が生きていてもシロアリに食害されるそうです。

シロアリは太陽の光を浴びると死ぬのでシロアリは本来土の中で生活しており、巣も土の中にあります。土の外を移動する場合は自分のフンと砂でトンネルを作り、日光を避けるので、トンネルを見つけたら危険サインです。

日光を避けるため自分で作ったトンネルを移動します。

家への侵入経路は、床下の基礎コンクリートの隙間から侵入するそうで、床下をこまめにチェックするのも効果的です。キッチンもしくはバスルームの床にはめてある収納ボックスから床下に行くことができます。

収納ボックスの中のケースを取り出せば床下に行くことができます。ケースを持ち上げるだけなので簡単です。

床下の様子。

基礎コンクリートは経年により必ずひび割れが起きるそうです。シロアリの侵入はそのひび割れからがほとんどだそうで、もしひび割れを見つけたらモルタル補修剤を使って、ひびを埋めるだけでもかなり効果的とのことです。

床下チェックは水漏れの早期発見にも役立ちます。基礎部分に水が溜まっていたり、濡れている場合は水漏れの可能性があるので、水道業者に検査をお願いした方が良いかもしれません。

まとめ

シロアリ予防工事は来るか来ないか分らないシロアリに備える保険のようなものです。工事費用も安いものではなく、一般家庭にとってみれば大きな出費となりますので、どうすればいいのか迷ってしまいます。

ただ、来るか来ないかわからないものに対して、予防工事をするべきかしないべきかは、今現在の時点ではわかりません。

大切な事は工事をするかしないかではなく、契約の中身を知って自分が納得し、判断することです。

「勧められたから」「みんながやっているから」ではなく、腑に落ちない部分があれば質問したり、市場の相場を知るために相見積を取ったり、その場でハンコを押すのではなく、しっかり中身を精査してから判断しましょう。

最後に、私個人の過去の判断において、心情的に❝やらなきゃよかった❞という後悔より❝やっときゃよかった❞という後悔のほうが強い気がします。

以上参考になれば嬉しいです^^ありがとうございました。